人にはそれぞれのドラマがあります。
まあ自らペラペラと語る方はほとんどいらっしゃいませんが
(いらっしゃったらいらっしゃったで正直なところ苦手ですが)
仕事柄、お客様やお会いするのはほとんど自分よりも年上の方なので、
お話をしながら滲むものやぽろっとこぼれ落ちたかけらを拾っては一人で勝手に味わい深く感じたりしています。
ここ最近1番ショックだったのは、
銀行で手にとった最新号で、Regionの今号限りでの休刊を知ったことです。
発行部数、内容の充実度などこの辺りでは恐らく最大規模の無料情報誌です。
Regionとは少なからずご縁があります。
もう5年前になるでしょうか、
24号の巻頭特集「メイド・イン・カゴシマ」で取材いただき、
まだオープンから1年も経っていない当工房を紹介してもらっただけでなく、表紙にまで抜擢されまして
恐縮ながら嬉し恥ずかしというか、、
聞いてないぞ!恥ずかしすぎるぞどうしてくれんねんオイ!という心境でしたが、笑
あれ以来、どれほどのお客様が「Regionを見て」と工房を訪れてくださったでしょうか。
5年が経つ今でも「前にRegionに載ってたよね」と声をかけていただくこともしばしばです。
それだけ鹿児島で様々な世代に広く読まれているフリーペーパーなのだと思います。
毎回組まれる特集で今の鹿児島を生きる人々が紹介され、
西郷大久保のような有名どころではなくても、時代に確かな足跡を残した薩摩出身の歴史上の人物を紹介する連載があったり
読みごたえのある内容で毎号自分も楽しみに読ませてもらっていました。
あらゆるページでドラマのかけらを拾うことができました。
工房の掲載をしていただいてから1年経った頃、
イベント会場で発行元の印刷会社の代表取締役とお会いする機会があり、
「その節は…」とご挨拶をして、しばらく立ち話をさせてもらいました。
話の中で偶然にも高校の同級生のお姉様だと分かったその女性は
非常に気さくで、エネルギー溢れる方でした。
「会社の近くにお越しの際は是非寄ってくださいね。コーヒーでも飲みましょう。」
と別れ際にお言葉を頂戴してから数年が経ってしまいましたが、
今さらながらお言葉に甘えて近々伺ってみようかと思っています。
「どうしてRegion休刊しちゃったんですか。」
などと不躾な事を聞くつもりはありませんが。
ただお礼を言いに。
そしてかけらを拾いに。